「パリ、ジュテーム」(2006)パリを舞台に色々な愛の形を、コーエン兄弟やガス・ヴァン・サント、アレクサンダー・ペインなど世界各国の監督たちが1話5分で魅せるオムニバス。日本からは諏訪敦彦監督が参戦しています。
朝方から深夜、色々な場所で、色々な目線で、彼らがみる"パリ"がこの5分の中に凝縮されています。
_____________________________
オムニバス、というやつを初めて観ました。なかなか興味深いですね。
一つひとつの作品でその監督の個性がにじみ出ているため、最後まで飽きずに楽しめますし、とても見応えのある映像群でした。
コメディからアート系、現実的なものから幻想的なものまで、1粒で18度美味しい。そんなお得感満載な映画です。
この映画で良いのは、パリの美しい部分だけを魅せる只のプロモーションで終わっていない所。
美しい景色と、汚い現実、その両極端のものをさらけ出すことによって、等身大のパリが見えてくるようでした。綺麗な部分も、汚い部分も、みんなひっくるめてパリが好き。
パリどころか海外旅行さえ未経験な私でも、パリを好きになってしまいそうです。
私のお気に入りのストーリーは、
少年の淡い恋を描いたグリンダ・チャーダの「セーヌ河岸」、
クスリと笑えるシルヴァン・ショメの「エッフェル塔」、
そして5分間という短い時間に男女のキラキラ光る日々をたっぷり詰めた、トム・ティクヴァの「フォーブル・サン・ドニ」です。
このオムニバスから自分だけのお気に入りのストーリーを探すのも、また楽しいかもしれませんね。
(この映画の中にウィレム・ディフォーが出演していたらしいのですが、全く気がつきませんでした。「ハンガー」の時といい今回といい、どうやら私の目には彼の姿が映らないようです・・・。)
スポンサーサイト
theme : 映画感想
genre : 映画