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2008-10-18(Sat)

『クレイマー、クレイマー』

kramervskramer

「クレイマー、クレイマー」(1979・米)

美術系の会社に勤めるテッドは先ほど副社長から昇進についての話を聞き、順風満帆な日々を過ごしているはずだった。しかし自宅へ帰るといきなり妻に別れを告げられ、7歳の息子を残して彼女は家から出ていってしまう。それから息子と2人の共同生活を始めるテッドだったが、次第に彼の心情に変化が生まれてきて・・・?


ハート・ウォーミングな家族再生物語なのかと思いきや、結構シビアな話なんですね・・・。
今まで家庭に無関心だったが熱心に仕事をし、18ヶ月間息子のビリーのために尽くした夫と、8年間家庭のために尽くしてきたが、自分さがしのために家庭を置き去りにした妻・・・。男の視点から見た家庭と、女の視点から見た家庭を同時に描いております。女の人と男の人で、観た後の感想が変わってきそうですね。

身勝手な妻や思う通りにいかない現実にイライラしながらも、それでもテッドが真っ直ぐ生きられたのは子どもの存在があったからこそ。子役の子がめちゃくちゃ可愛いんですよね~。ダスティン・ホフマンといいメリル・ストリープといい、俳優の演技がとにかく良いです。全員ハマリ役でした。
この夫婦は中盤から親権をめぐって裁判を行っていくのですが、こういった泥沼な展開にも関わらず自己中心的な考えや欲望など、不快感を感じるものが一切ありません。むしろ子どもに対しての愛情が画面いっぱいに伝わってきて、その愛の深さに悲しくなります。
人間ですから、すれ違いを起こすのはごく自然で当たり前なこと。ですがお互いに相手を認め、肯定し、歩み寄っていけさえすれば、物事が良い方向に変わっていくはずなのに・・・、難しいですよね。微妙な距離感や歩み寄れない心が、なんともくすぐったいです。
家族に一番必要なものは何なのか?家族の在り方について問いかける、深い映画でした。

主役がそれなりに良識のある夫婦だったからこそ後味の良いラストで終われたものの、現実には更にひどい親がごまんと居るわけですからね・・・。この映画を観て考えを改めてもらいたいものです。





theme : 映画感想
genre : 映画

2008-10-17(Fri)

『羅生門』

rashoumon

「羅生門」(1950・日)

降り注ぐ激しい雨の中、羅生門で雨宿りをする男が3人。その中の2人が世にも恐ろしい事に遭遇したのだと、ある出来事について語りだす。それはある男の殺人をめぐった話であり、話を聞いていく内に、人間の醜さ、本性が浮き彫りになっていく・・。
芥川龍之介の「藪の中」の映像化。


「羅生門」・・・。このタイトルを聞いて真っ先に思い出すのは、婆さんが死体の髪の毛をむしってかつらを作る芥川龍之介の「羅生門」。なのでこの映画もその話の映像化なのかと思いきや、全然違うストーリーなんですね。
なんとも紛らわしいタイトルをつけたものだ・・・。

芥川の「羅生門」を想像して鑑賞したので少々出鼻をくじかれた感はありましたが、非常に面白い内容でした。
羅生門で雨宿りする男の回想から始まり、ある男の殺人をめぐって裁判?が行われます。そして男の妻、夫婦を襲った山賊、霊媒師によって降臨した殺された男の霊(なんじゃそりゃ)が証言台に立つ訳ですが、それぞれが全く違った証言をするのです。一体何が真実なのか?男を殺した犯人は誰なのか?様々な謎を残しつつクライマックスへともつれ込む訳ですが、ここまでの展開が非常に上手いんですよね~。

芝居臭さを感じ現実味を感じない序盤・中盤の流れから、一気に人間の生々しさ、醜さを突きつけられるクライマックスへ。この映画に託されたメッセージは深く、荒々しさを感じる映像とは対照的に非常に文学的な作品でした。
荒廃した地、羅生門で語られていく人間の本質に物悲しさを感じつつも、非常に惹きつけられる映画です。

多襄丸演じる三船敏郎の笑い声が凄く不快・・・。でも耳に残ります。
黒澤監督ってやっぱり凄いんだな~と再認識しました。これから除々に彼の監督作を観ていこうと思います。






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genre : 映画

2008-10-16(Thu)

『潜水服は蝶の夢を見る』

le_scaphandre_et_le_papillon

「潜水服は蝶の夢を見る」(2007・仏/米)

「ELLE」の編集長であるジャン=ドミニック・ボビーは、昏睡状態から目を覚ますと見知らぬ病室に横たわっていた。脳梗塞により体中の筋肉が麻痺し、動かせるのは左目のまぶただけ。体の自由が効かない。喋ることさえ出来ない。自分の運命に落胆するジャンだったが、ある日自分の体験談を描いた本を出版する事を決意する・・・。
実話の映画化。


久し振りに映画を観てしゃくり上げるほどの大号泣をいたしました。
こんなに泣いたのは「マイ・ドッグ・スキップ」以来です。
いや~、凄い映画ですよ。これ。

まず映像が非常に美しいです。主人公目線からのカメラワークに始まって、主人公の妄想、現実、過去のエピソード・・・、ありとあらゆるシーンが芸術的。光の反射がとても綺麗で、透き通るような透明感のある映像群に目を見張りました。特に主人公の涙で視界が霞むシーンは・・・、憎い演出ですな~。
アート系の映画って、"映像に凝り過ぎていてストーリーを重視しない"。そんなイメージが私の頭の中をついて回り、ずっと苦手意識を持っていたのですが、この映画のおかげでそういった偏見も無くなりそうです。
普通の人間ドラマとしても、そしてアート作品としてもお楽しみいただける映画だと思います。

「感動する」とか「考えさせられる」とか、そういった言葉で括るとどうしてもちゃちな響きになってしまい、うまく言葉で表現できないのですが・・・。観ている人の心に迫りくる映像群と、全編に溢れ出すようなジャンの生命エネルギーに、圧倒されると同時に自然と涙が出てくるのです。
とにかく凄いです。そして面白い。

関係ないですけど、フランス語ってなんだか良いですね。発音とか、なだらかな喋り方がかなり好きです。今度フランス語の授業を取ってみようかしら・・・。






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genre : 映画

2008-10-14(Tue)

『4分間のピアニスト』

vierminuten

「4分間のピアニスト」(2006・独)

女子刑務所でピアノの教師を務めるトラウデは、ある日ジェニーという少女と出会う。彼女はかつて数多くのコンクールで入賞した経験のあるピアニストだった。彼女の類稀なる才能を見出したトラウデは、コンクールに出場させようと猛練習を始めるのだが・・・?



素行不良の少女にピアノを教え、コンクール出場を目指す・・・。これだけ聞くと女教師と生徒との交流を描いた爽やかな青春モノの様にも思えるのですが、それだけでは終わらないのがこの映画。光と影が入り乱れる、非常に繊細なストーリーです。
不良少女の更生物語というよりは、どちらかと言うと老女の心境の変化が主に描かれています。保守的な老女が才能に満ち溢れた前衛的な少女と出会うことによって、過去の自分と向き合い、心境に変化が生まれていく・・・。偏屈ばあさんを演じたモニカ・ブライブトロイ、非常に良い味を出してます。

この映画で何より凄いのは、やはり数々のピアノの演奏シーン。
個人的には2人が初めて出会った時にジェニーが弾いていた曲が印象的でお気に入りなのですが、必見なのはラストの演奏シーン。とにかく凄い。凄いです。聴いている最中、ずっと鳥肌が立っていました。この演奏シーンだけでも、この映画は観る価値があり!・・・というよりも、あのシーンありきの映画といっても過言ではありません。
ピアノ演奏会に行くと必ず睡魔と闘っている私ですが、この映画だけは自然と心がひきつけられました。先ほども触れましたように特にラストの演奏シーンは圧巻で、ピアノ音楽で泣いたのはこれが初めてです・・・。

全編暗いタッチの映像ではありましたが、パワーに溢れた個性的な映画です。






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2008-10-09(Thu)

『砂の器』

sunanoutuwa

「砂の器」(1974・日)

東京都蒲田で、60代男性の遺体が発見される。殺害した犯人を突き止めようと調査を開始する刑事達だったが、その裏には悲しい真実が隠されていて・・・。
松本清張原作。親と子の"宿命"を描いた、悲しくも美しい物語。


観終わったあと、心が震えました・・・。
刑事たちによる殺人事件の調査から始まり、真実を突き止めていくまでのストーリー展開が非常にうまいのですが、それら全てが頭の中から吹っ飛ぶ位、後半で語られる真実に心をかき乱されます。
とにかく一つひとつのシーンが強い、力強いんです。刑事たちの調査の過程や回想シーンなどで全国各地のあらゆる風景が映し出されていくのですが、それら全てのシーンが非常に美しい。そしてそのバックで流れる音楽がとても力強く、人間の泥臭さといいますか、正に"宿命"というものを感じずにはいられないのです。

和賀演じる加藤剛が、非常に上手い演技をするんですよね~。
力強いのだけれど脆くて、ただひたすら貪欲で、ラストの演奏会での和賀の表情が、この映画の全てを物語っている気がしました・・・。
先日亡くなられた、緒形拳さんも出演しています。

人間は誰しもが宿命を背負って生きている。そしてその宿命からは、誰も逃れることが出来ない。追い払えない。そんな人間たちを不幸だと思うか、はたまた愛おしいと思うか、それは観ている者の捉え方次第・・・。
深い映画。巡り合えて良かったです。






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プロフィール

K

Author:K
大学1年生
小学5年生で映画に目覚める
でも映画の知識は初心者レベル
目標は大学卒業までに1000本観破です

【好きな映画】
「ゴースト・ワールド」
「ゾンビ」
「天才マックスの世界」

【好きな俳優】
ケビン・ベーコン
スティーブ・ブシェミ
エヴァン・レイチェル・ウッド

【好きな監督】
ウェス・アンダーソン
ジョージ・A・ロメロ

★前田有一の超映画批評★

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高校生時の映画レビューサイト「映画の森」へのリンク外しました。昔のレビューを晒すのが恥ずかしくなったので・・・。
もし見たいという方がいらっしゃったら、検索サイトで探せば出てくると思いますので、そこからどうぞ。



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